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[読書メモ] 私も石原慎太郎を読んでみた

少し前に「石原慎太郎を読んでみた」を読んだのは記憶に新しい。

・参考 [本の感想] 石原慎太郎を読んでみた

年代的にもそろそろ石原慎太郎やその辺りの世代の人達の
再評価というのもやってみるべきだという企画的には一部?の者に受けているのみたいだ。
ここで私も石原慎太郎の作品を読めばいいんだが,なぜか大江健三郎の作品を読み始めたわけだ。
まぁ石原慎太郎・大江健三郎・開高健はひとまとめにされることが多く,
この中でなら出生地に比較的関わりのある大江健三郎を読もうという
なんだかよく分からない天邪鬼的な性格が出てしまったわけだ。
そして今10作以上読んでいるというのが現状だ。
というべきか,石原慎太郎の名作と言われてる「太陽の季節」「完全な遊戯」は
ストーリー的にもちょっと読むのはどうなんだろうとか思っていて嫌厭していた。



だが「わが人生の時の時」は読みたいと思っていた。
批評家でもある福田和也が世界文学に匹敵するといった評価を下した「わが人生の時の時」を今回読んだ。
(詳しくは「石原慎太郎を読んでみた」を参照のこと。)
まぁ世界文学に匹敵するというのは誇張だと薄々というか分かってはいた。
(同じように高評価の古井由吉の「仮往生伝試文」をフェードアウトした前例もあるし。)
まるっきり駄作というわけでなくかなり出来の良い作品だった。
もちろん批評家が高評価するのだ,読める品であるというのはなんとなく感じていた。
前述の「太陽の季節」などは言うなれば若さが全面に出ており,後先を考えないような刹那的な側面をもった小説だが,
この「わが人生の時の時」では今の石原慎太郎に近い老齢な雰囲気が出ており好きだった。
右左のような分け方は好きではないが,右よりらしい現実的な文章ではあった。
この本が出来たもともとの原因は大江健三郎との会話らしく
(「わが人生の時の時」のあと書きに代えてを参照),
そこら辺もちょっと私的興味をそそられた。
もともと石原慎太郎は左でのちに右に転校するが,
若手であった時は『若い日本の会』という団体を大江健三郎らと結成したりとしていたし,
断絶とはいかないまでに会えば話を交わす間柄らしい。(この時は)
(『若い日本の会』は大江健三郎の私的後期の名作「憂い顔の童子」にパロディとして出てくるので気になる人は。)



この「わが人生の時の時」はおよそ40編の短編から成っており
石原慎太郎の私小説となっている。
こういう類の短編私小説は,
最近では山本周五郎の「青べか物語」を読んだがあれは
彼が住んでいた町での人々の出合いを私小説として書いたものであり,
この石原慎太郎の「わが人生の時の時」は彼の人生のスクラッチブックとでも
いうような形式となっている。
大半の内容が海に関係しており,
これは石原慎太郎がヨットや素潜りという趣味をもっていたという
私としては意外な事実から来ている。
結構なスポーツマンであらせられることで。
さて本書は40編の短編から出来ており私が面白いと思ったのは
「まだらの紐」「落雷」「ナビゲーション」「落水」「路上の仏」だ。
他にも面白そうなのはいくつかあったが,ダラダラあげつらうのは良くないので5つに絞った。
「まだらの紐」「ナビゲーション」「落水」は海の事で,
「落雷」「路上の仏」は彼の思想からなる小説といったところか。
「路上の仏」は石原慎太郎の「太陽の季節」などで見せた奔放さというのが
見えたから好きだったというのもある。
「石原慎太郎を読んでみた」でも秀逸な短編の評価がされている,
私のあげた中で「まだらの紐」「落雷」「落水」は評価されていたが,
「ナビゲーション」「路上の仏」はノーコメントだった。
評価されてる短編は読んでもらえれば私の言葉たらずな感想よりいいのでスルー。
「ナビゲーション」はなんて彼の奔放さと神経質(繊細?)なところが合わさって
結構すきだったんだけが同じうなジャンルがあるしココらへんは好みか。
(海系は「石原慎太郎を読んでみた」でも色々と評価が高いし。)
決定的に「石原慎太郎を読んでみた」と評価が違うのは恐らく裕次郎関係の短編に関してだろう。
これは私が生まれて間もなく裕次郎が亡くなってるので彼の影響力というのがよく分からないからだ。
私にとってはモノマネのネタという以外にそんなに印象にない,
そういえば彼の作品の再放送って見た記憶がほとんどない。
石原プロ系で「あぶない刑事」なんかはあるが。
あと思想系に関して。
これは私が仏教の中である一定の宗派(禅)に傾倒していることもあり,
恐らく「石原慎太郎を読んでみた」より偏った評価をしてしまっているため評価が結構違ってるのもある。
どちらかと言うと思想系はマイナスから始まるように評価している。
「路上の仏」を評価したのは思想系よりも彼の若さを垣間見たというのが大きい。
また読んでて思ったんだが,この作品って恋愛系がそんなにないよなぁ。
恋愛と呼ぶか疑わしい早熟で奔放なのとか,熟成した大人の愛みたいなのはあるけど
その中間が無いような気がする。これは自身の学生婚とか影響してるのかな。

「石原慎太郎を読んでみた」では慎太郎の純文学的なジャンルには悪文が多いとあったが
この作品については悪文はそんなにないらしい。
私的には☆4でいいんじゃないかと思う。



「わが人生の時の時」についてなんですが,
新潮で文庫が出てるんですが在庫なし,古本でいいならAmazonのマーケットプレイスにあります(2013.11.2現在)。
新品を求めるなら「石原愼太郎の文学〈8〉」を約6000円ですが(2013.11.2現在)。
この在庫切れはまぁ仕方ない,あっちも商売だから。
図書館の探せば出逢える確立は3割4割くらいだから探してみるのも吉。
でも買えないわけじゃない,Amazonは古本もクリック1つで買える,最高だ。
届くまで時間がかかるのが難だが。
一度文庫化してもらっただけでも感謝。

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  1. 2013/11/03(日) 00:37:36|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

石原慎太郎が大江健三郎に接点があること知りませんでした。
思想的に水と油みたいなものだとおもっていたのですが、若きころの石原慎太郎は大江よりだったのですね。
現在の極右的な思想への傾倒は、読売の渡辺会長と同じようなプロセスをたどった感じなのでしょうか?
  1. 2013/11/03(日) 11:31:50 |
  2. URL |
  3. FC2USER865914QPC #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 石原慎太郎が大江健三郎に接点があること知りませんでした。
> 思想的に水と油みたいなものだとおもっていたのですが、若きころの石原慎太郎は大江よりだったのですね。
> 現在の極右的な思想への傾倒は、読売の渡辺会長と同じようなプロセスをたどった感じなのでしょうか?

FC2USER865914QPCさん コメありがとうございます。

当時左の人達がやってることが理想を追い過ぎていて,
それがバカらしくみえて失望したという話を聞いたことがあります。
まぁ右とか左に傾倒していったというか,
彼の思想が既存の枠組みでは右だったという捉え方の方が近いんじゃないかと思ってます。
現に彼の思想は右と言われてますが,その中でもかなりマイノリティですし。


  1. 2013/11/05(火) 03:18:18 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

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