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[本の感想] 石原慎太郎を読んでみた



誰もが石原慎太郎を知っている。
しかし小説家としての彼は、そして戦後史に彼が残した功罪は、どれほど知られているだろう?
知られざる膨大な作品群を読み解き、その真価と業績を徹底討論!
戦後史のダークマターの正体解明! (Amazon)

タイトル通り石原慎太郎の作品を読むことにより
スタートした企画から生まれた本。
以前に言ったけど石原慎太郎の本って「太陽の季節」しか読んだことがない。
近年では「弟」が話題になったみたいだけど,
そのころ私はまだ小学生だったので知らず,というわけで上手く噛み合わず。
まとめて言われる事が多い大江・開高も接点が全くないんだよな。
大江健三郎がノーベル文学賞獲った時も小学生。
あと5年くらい早ければまた印象は違ったんだろうが。
こういう企画本を通して,少しでも読むようになればいいんじゃないの。
ゴシップよりではあるけど(私はこういうゴシップが好きだ),
文献の量からしても苦労痛み入る。
著者の1人栗原裕一郎の「盗作の文学史」もそうだけど,
在野の人でこれだけやるのって,いい仕事するな。

企画として特に面白かったのは2つ。
2章目の太陽の季節が芥川賞を受賞した時に本当に受賞に相応しかったのか
著者2人で再判定してみる試み。
12章目の福田康夫が著書「作家の値うち」で最高得点を出した慎太郎の「人生の時の時」が
本当に傑作なのかを判定する試み。
福田康夫は慎太郎と懇意にしてたので,長らくその得点に疑問がもたれていたんだけど
ここにメスが入ると。ちなみにこの「作家の値うち」は作品に点数をつけるという先駆けとなった本です。
前者の当時の芥川賞を読むというのは,著者の豊崎由美の「文学賞メッタ斬り!」にあるやり方だけどこれが面白い。
豊崎由美が結構突っ張しる人なんで,それをセーブするという「文学賞メッタ斬り!」の
大森望の役割を栗原裕一郎が担っていると。
当時の選評について叩くというスタイルもおなじみのもの。
やはり当時もヒドい選評ってあったんだ。
このヒドい選評,ぜひ本書で読んで欲しいが本当にヒドいw。
いやぁでもこのヒドさがあるから豊崎節が唸る。
あと慎太郎とは関係ないが,当時の候補者って慎太郎以外1人も知らなかった・・・。

また三島由紀夫と石原慎太郎って,こんなに近しい間柄だったのに驚き。
三島由紀夫も同じ保守だったけど,今の慎太郎から三島を連想するイメージが全くないな。
さらに三島由紀夫が石原慎太郎の「亀裂」に嫉妬していたというのにさらに驚き。
石原慎太郎って保守だけど,本書を読んでみると天皇制についてはまったく重要視してないのか。
ここらへんは三島由紀夫とは対照的だな。
日本の保守って,アメリカと中国という国に対して
親or反で分かれるので基本4つ分類されるそうだけど
(このソースは小谷野敦の本だと思うけど曖昧),
基本天皇制にはみんな賛成という不思議な状態なんでマイノリティだ。
慎太郎がもともと左翼から転向したというのにもそういう理由ありそうだが。
ただ単に中心基質だからだけなのかもしれないが。

ちなみに本書の名言は中森明夫の
「慎太郎は才能あるよ。いまだに才能しかないけど」
これがすごくツボだった。
取り敢えず最近,大江と開高を数冊読んだんでコチラに手をのばしてみるのもアリだな。

☆☆☆☆

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  1. 2013/09/26(木) 20:12:09|
  2. 本 ☆☆☆☆
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