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[本の感想] アンベードカルの生涯



「もし私が、私がそこに生れ育った階級が呻吟する、忌わしい奴隷制と非人間的不正をやっつけることができなかったら、
頭に弾丸をぶちこんで死んでみせる」この国、いや外国においてすら、アンベードカルほど波瀾に富み、
刺激的でロマンチックな人間は稀であろう。(Amazon)

「ガンジーでも助走つけて殴るレベル」というネタがある。
私は結構好きだw。
この文自体,ガンジーの聖人さを表していると思う。
ガンジーなら殴らないのだ。
ガンジーの行動が,インドは独立に
大きく貢献したのは言うまでもないことだろう。

ところでインドに「不可触民」という言葉がある。
インド最大の宗教ヒンドゥーにおいてカーストにすら入れない人達だ。
手塚治虫の「ブッダ」に登場する,物語初期主人公かと思われた
あのタッタがこの不可触民に属していた。
この不可触民知れば知るほど,インド社会での扱われかたがヒドい。
飲水のための貯水池を利用することも許されず,
宿屋・食品店・寺院など利用することも許されない。
この差別に対して立ち向かったのが,アンベードカルである。
彼自身不可触民の出であり,貧困の中で法務大臣にまで上り詰め,
イギリスからの独立後インドの憲法草案を作成した1人である。
そして後に仏教徒に改宗して,
インドに仏教復活の立役者となった1人である。

ここで最初にガンジーの話を持ちだしたことについて言いたい。
ガンジーとアンベードカルは同時代の人だ。
アンベードカルの方が20歳くらい若い。
そしてガンジーとアンベードカルはほとんど共闘することはなかった。
いや,敵対していたといってもいい。
ガンジーはインド独立に一役買ったが,
彼はカースト制度自体は擁護した。
彼自身,カースト制度の区分に上下はないというような思想を持っていたようで
不可触民を新たなカーストに加えようとしていたらしい。つまり5つ目のカーストだ。
これだと職業はカースト内で固定されてしまっているし,
結婚なども同じカーストでしか出来ないが
ガンジーはそれを肯定的に捉えていた。
しかしアンベードカルはこの考えに猛然と反対した。
多くのヒンドゥーは不可触民に対して補償をしているし差別の撤退をしていると言っているが
依然としてその成果は目に見えず貯水池を利用することも
寺院に入ることすら許されていないの現状であった。
信仰篤き人でも不可触民は寺の外で拝むしかない。
両者の意見の違いは,ガンジーの目的はイギリスからの独立で,
アンベードカルの目的が不可触民制度撤廃であったという
違いによるところが大きのかもしれない。
それにガンジーはカースト内にいて,アンベードカルはカーストの外にいた。

大変熱かったのは,アンベードカルがガンジーと対峙した時,
アンベードカルは祖国を愛することができないと言った。
どうしてこれだけの差別を受けてまで国を愛することができるのかと。
読んでいる私も思わず熱くなってしまった。
まだガンジーが聖人化されすぎていて,アンベードカルは彼と対峙していたことから
悪役として見られることが多かったとあるが,
まぁ今の日本のガンジー像を見てもある程度納得。
そういうこともありインドでも評価の難しい人物であるらしい。
この中でアンベードカルは最後まで不可触民制度撤廃をつらぬいた。
本当物語のような苛烈な生き様だった。
そしてこの差別はいまだ続いているが,アンベードカルの死後40年
インドに不可触民出身の大統領がはじめて生まれた
それがナラヤナン(1997年~2005年)である。

ちなみにアンベードカルは後年仏教に改宗するけど
彼の仏教については本書ではさわりくらいです。
同じ光文社新書で「ブッダとそのダンマ」が出てるんでそっちで。

☆☆☆☆

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  1. 2013/09/25(水) 21:24:59|
  2. 本 ☆☆☆☆
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