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[本の感想] 日の名残り



品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。
美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、
執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々
―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。
失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。(Amazon)

カズオ・イシグロについては,もう説明するまでもないくらい有名だろう。
そう言えば,先日でた村上春樹の随筆「村上春樹 雑文集 」(下記リンクあり)でも
カズオ・イシグロの小説を読むのがすごく楽しみだと言ってたし
結構同世代の人間として意識してるんだろう。
それにしても,この小説はすごい,ザ・イギリス小説と言い切っていい話だ。
その矜持の高さと落日さが絶妙だ。
内容は,執事・スティーブンスが主人が屋敷をあけるので
その間にかつての同僚を訪ねる小旅行での話。

この話は最後まで読み切ることで,
スティーブンスという人間の哀愁を実に美しく感じることができる。
特に最後の六日目の夜によって,この小説が完成していると言っていい。
正直この日がなければ,ワンランク下のものになっていたに違いない。
また,その旅の道中での出来事が必要不可欠であったということも理解できる。
あの道中での美しい祖国イギリスの風景や
英国気質?あふれる人々との出会いによって,
スティーブンスは執事として職務をまっとうするため
それだけに全力で生きてきた彼が,
この旅行で彼は自分の半生を振り返ることができたのだ。
はじめのうちは,執事としての矜持とはとか,
新しい主人はアメリカ人なのでイギリス人のような紳士さが足りないよなぁとか,
一体全体コイツ何様だよという自画自賛ぶりが伺える。
その増長した自己というのが,あとから効いてくるスパイスになってくる。
しかし,旅を続けていくうちに,その仮面がどんどん崩れていく。
あの時の選択は正しかったのか,いや正しかったのだというような自問自答の数々。
執事として常に正しく生きていた彼の迷いが旅を重ねるほど
どんどん溢れ出てくる。
まるで,夏休みに探検に出た子供がはじめのうちはワクワクと
未知の出会いに期待をふくらませていくが,
日が傾いていくうちに少しずつ不安になってくるような感じだ。
その期待感を不安感を含めて,物語とすることで楽しむことが出来る。
もちらん最後に家に帰ってくるあの安堵感を忘れてもいけない。
日は落ちるが,また明日日は昇るのだということを。
スティーブンスの彼の最後の決意というものも,
この小説の締めとして素晴らしく良い余韻が漂っている。
心地良い,その言葉がすごく良く似合っている。



☆☆☆☆

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  1. 2013/06/29(土) 06:37:06|
  2. 本 ☆☆☆☆
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  4. | コメント:2
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  1. 2013/07/01(月) 00:35:53 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

Re: 映画も良いです♪

マダラ狼さん コメありがとうございます
へぇ,映画化もされてたんですね。
一度見てみたいなぁ。
  1. 2013/08/06(火) 03:12:28 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #Jlz9xOgs
  4. [ 編集 ]

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