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[本の感想] ガラスの動物園



不況時代のセント・ルイスの裏街を舞台に、生活に疲れ果てて、昔の夢を追い、
はかない幸せを夢見る母親、脚が悪く、極度に内気な、婚期の遅れた姉、
青年らしい夢とみじめな現実に追われて家出する文学青年の弟の三人が展開する抒情的な追憶の劇。
作者の激しいヒューマニズムが全編に脈うつ名編で、この戯曲によって、
ウィリアムズは、戦後アメリカ劇壇第一の有望な新人と認められた。(Amazon)

作者・テネシー・ウィリアムズは劇作家として有名であるが,
本として読んでみても悪くない。
100pほどの短い文章から,
痛いほど破滅していく家族の悲壮感が伝わってくる。

少し疑問に思ったのが,この作品には宗教がほとんど出てこない。
アメリカは宗教的に保守的な国だから,
宗教が出てこないのがおかしいなとかそういうこともあるんだけど。
テネシー・ウィリアムズ自身は,牧師である祖父のもとで子供の頃
育ったためそういう下地みたいなものが
作品に現れてもいいんじゃないかと思っていた。
わざとらしく,手を組み合わせて神に対して嘆くみたいな。
でもこの作品には,そういうものがほとんど見えてこない。
物語の終わりで,ローラの結婚話が失敗に終わったとしても,
このやりどころのない悲しみに嘆き続けるところに,
日本の私たちの感性と同じようなものがあると感じた。
それが妙なリアルさとして伝わってくるんだろう。

テネシー・ウィリアムズ自身生まれたのは好景気の時だった,
そして時代はあの世界恐慌へと突入していく。
その傷から再生していく時代にこのガラスの動物園は出版された。
下地にそういう不況ってもんがあるのにも,
作品全体から今の私達と同じような匂いを感じ取っているのかも。

休日の夜に読むもんじゃなかった,月曜が余計ツライ。

☆☆☆

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  1. 2013/06/02(日) 22:34:20|
  2. 本 ☆☆☆
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  1. 2013/06/03(月) 02:32:43 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

こんにちは。
この本、かなり昔に読んだきり…というか、読まされたんだけどね、授業で。
正直、暗い話…という感想しか持たなかったです、その時は。
ヒメキリンさんみたいな、きちんと作品に向き合った感想は、
これっぽっちも持たなかったです。
そのうち、読み直してみようかな、と思いました。
  1. 2013/06/03(月) 17:29:48 |
  2. URL |
  3. HIRO1 #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

龍ちゃんです。 コメありがとうございます

簡単に言うと,景気にかげりが見え始めた社会の片隅で生きる家族が,
ゆるやかに崩壊していく様子を描いた物語です。
希望をもとめても落ちていく彼らの滅びが切ないです。
  1. 2013/06/12(水) 20:55:16 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> こんにちは。
> この本、かなり昔に読んだきり…というか、読まされたんだけどね、授業で。
> 正直、暗い話…という感想しか持たなかったです、その時は。
> ヒメキリンさんみたいな、きちんと作品に向き合った感想は、
> これっぽっちも持たなかったです。
> そのうち、読み直してみようかな、と思いました。

HIRO1さん コメありがとうございます

趣味で読み出すと,
昔勉強の時読んでた本を読むとまた違った発見がありますね。
気楽に読むのが好きです。
  1. 2013/06/12(水) 20:55:42 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

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