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[本の感想] 考えるヒント



「良心」について、「平家物語」、「花見」…。さりげない語り口で始まるエッセイは、思いもかけない発想と徹底した思索で、読者を刺激し新たな発見を与える。永遠に読み継がれるべき名著。(Amazon)

坂口安吾の評論「教祖の文学」を何度目かの再読をしていた。
この「教祖の文学」というのは,批評家・小林秀雄に関する安吾なりの見解だ。
安吾は,その生涯最後まで非主流の道を歩んだわけだが,
対して,この「教祖の文学」に出て来る小林秀雄のことを,
私は主流派の親玉のようなものだと勝手に思って放っておいた。
しかし,あるブログで小林秀雄のことが書かれていたので
それ以降気になっていたので,ここは一つ彼の本を読んで見ることにした。

そう読んでみたのだ,読んでみたのはいいが,
私にはこれをどう評価していいのかイマイチ分からなかった。
この本は「考えるヒント」と「四季」という項目から出来ているエッセイだ。
これは紛うことなき批評だが,この批評が良いとは思わない。
いや,悪くもないのだ,私にとって良くも悪くもなく普通なのだ。
日本の批評の礎を作った人だというが,
そんなことに関係なく私は面白いと思えないのだ。
読んでは見るが全く頭に残らない,
心を鷲掴にするようなそんな批評がこの本の中にはなかった。
そう,これは覚えていこうという批評が見つからなかったのだ。
なんというべきだろうか,この批評の根底にあるものってのは
今現在出続けている批評というものに,
その片鱗があるが根付いているのではないかと思えるようなものばかりの感はある。
日本の批評の礎を作った人なんで,
そういう面があるってのはなんとなく理解できる。
とにかくお手本のような真面目な批評というのが,私はあまり好きじゃないのかも。

ただエッセイとして読めば,面白いものが結構あった。
「天橋立」の「~キンタル鰯を抱き育てた母親のようなものだ~」なんかの表現は好みだ。
そこから母親という言葉をだしにしていく展開などはいいなぁ。
また「さくら」なんかでは,お気に入りの本居宣長の韻文を持ち出したり,
「花見」などでも歌を持ち出すところに安吾が言ってたような古臭い保守的な面が感じられる。
でも,私はそんな古臭いがいいと思うときもあるし,彼の自然観とでも言うべきものはわりと好みだ。
好きな歌を出して賛同しながらも決して同調せず
自らの意見を述べるというのはブレずどっしりしてる感覚を出してる気にさせるなぁ。
批評家としての小林秀雄はもっと色々読んでかないと分かりそうになさそうだ。

☆☆☆

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関連記事

  1. 2013/05/04(土) 00:06:12|
  2. 本 ☆☆☆
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

入試の神

こんにちは。
小林秀雄、というと、自分の世代だと大学入試でやたらと
出題されていた、という記憶がありますが、今でもそうなのでしょうか?

そのイメージがあって、自分は初めから避けてしまいます・・・
大人が先入観なしで読むのにはいいのかもしれませんね。

そういえば、最近のセンター試験でその内容が
「出題するのには不適切」と批判された問題も、
小林秀雄の文じゃなかったでしょうか?
  1. 2013/05/04(土) 06:05:57 |
  2. URL |
  3. たきやん。 #5bO.5FHM
  4. [ 編集 ]

小林秀雄さんの随筆

小林秀雄さんの考えるヒント、これは多分高校あるいは中学の国語の教科書に載っていました。
少し興味を持ち、同作者の『モオツアルト』を読みラズモフスキーを知り室内楽、特に弦楽四重奏曲にハマって、現在に至っております。
  1. 2013/05/04(土) 16:23:51 |
  2. URL |
  3. MK #-
  4. [ 編集 ]

Re: 入試の神

> こんにちは。
> 小林秀雄、というと、自分の世代だと大学入試でやたらと
> 出題されていた、という記憶がありますが、今でもそうなのでしょうか?
>
> そのイメージがあって、自分は初めから避けてしまいます・・・
> 大人が先入観なしで読むのにはいいのかもしれませんね。
>
> そういえば、最近のセンター試験でその内容が
> 「出題するのには不適切」と批判された問題も、
> 小林秀雄の文じゃなかったでしょうか?

たきやん。さん コメありがとうございます

そう言えばそういうニュースありましたね。
こういうのは問題文を選ぶのも難しそうですね。
近代から現代まで色々な評論があるけど,どれを正統とするかは難しそうですね。

たきやん。さん コメありがとうございます

私の頃は,出典よりも問題文や設問からどのように得かの勉強をしましたね。
現代文に関してはあまり出典の話はなかったなぁ。
古典なんかは源氏物語を読んどけというのはあったけど。
以前に好きな小説がセンター試験に出されたんで解いてみたんですが,
かなり選択肢で迷いましたね。
ああいうのは,文章だけでなく設問の比較なんかも
考慮にいれなくてはならないんで大変なんですよね。
  1. 2013/05/05(日) 04:51:29 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

Re: 小林秀雄さんの随筆

> 小林秀雄さんの考えるヒント、これは多分高校あるいは中学の国語の教科書に載っていました。
> 少し興味を持ち、同作者の『モオツアルト』を読みラズモフスキーを知り室内楽、特に弦楽四重奏曲にハマって、現在に至っております。

MKさん コメありがとうございます

私はもう高校まででやった評論の授業は覚えてないですね。
小説の方がなんとなく覚えているんですが。

そうやって芸術の架け橋になっていくのって,なんかいいですね。
  1. 2013/05/05(日) 04:53:34 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

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