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[本の感想] 熊の場所,みんな元気。,短篇五芒星

珍味ってたまに食べるからいいんであって,毎日食べればそりゃ飽きるわ。

「世界は密室でできている。」から立て続けに
舞城王太郎の短篇集を
3冊読んだんだけど,すごく食傷ぎみです。
アレだ,キャビア尽くしと喜び勇んだのはいいが,
前菜,スープ・・・メイン・・・デザート全部に入ってるとくれば,
塩辛いわ!,と文句もつけたくなる。
すべて私が悪いんですが。
読んだのは,「熊の場所」「みんな元気。」「短篇五芒星」と
短篇集尽くし・尽くし・尽くし。

もう舞城は当分いいかな。
あぁでも,今月末新作が出るんだよな・・・・・・出てから考えよう。
とにかく今はお腹いっぱい。


猫殺しの少年「まー君」と僕はいかにして特別な友情を築いたのか(『熊の場所』)。おんぼろチャリで駅周辺を徘徊(はいかい)する性格破綻(はたん)者はゴッサムシティのヒーローとは程遠かった(『バット男』)。ナイスバディの苦学生であるわたしが恋人哲也のためにやったこと(『ピコーン!』)。舞城パワー炸裂の超高純度短編小説集! (講談社文庫)(Amazon)

まず「熊の場所」。
三島由紀夫賞候補になった作品。
この時は惜しくも受賞を逃すことになる,次でとるんだけど。
これを読んで選考委員の多くは,当時酒鬼薔薇事件を連想したという,
この感覚は最近読んだ私にはない,やはり時代時代で感想みたいなもんがヴィヴィと違うんだね。
ご心配なく舞城王太郎はこれ以降も,こんな作風の作品を出し続けています。
これが読んだ短編三冊のなかで一番面白かった。
洗練されてなくて,まだまだ荒いところがあるんだけど,
このダイヤモンドの原石みたいな感じが,すごくいい。
どの短編もすごく楽しめた。

私はこの「熊の場所」は,なんていうか西尾維新の小説にすごく近い感じがした。
西尾維新のそれより少しグロめなんだけど,少年の独白がいーちゃんのそれを連想させるのかな。
善悪の観念がないのが近いのか,そもそも子供なんてある種の欠落を抱えているから,
それが共通のイメージを連想させるのか(いーちゃんのことだね)。
ラノベみたいなキャラ小説というほど,キャラは立っておらず,
この微妙なバランス加減が,舞城らメフィスト賞から出てきた世代の特徴といえば特徴だよね。
☆☆☆☆


人生を生きるというのは、気付かずに透明魔人をたくさん生み出しながら、それと対決してゆくことなのだ―。21世紀型作家による、5つの世界創造。『新潮』掲載に書き下ろしを加えて単行本化。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。(Amazon)

次「みんな元気。」。
どれが一番面白いかと言えば,「スクールアタック・シンドローム」だろう。
次点でタイトルの「みんな元気。」だろうか。
ただこれは,並みレベルでギリギリ及第点。
「スクールアタック・シンドローム」の主人公は,
私が読んだ舞城小説に表れる内面に,ある種の暴力性を抱えた主人公という,
彼のオハコとも言える作品だろう。
ただ,私はココらへんで少し胸のムカツキが気になりはじめました。
「熊の場所」の模倣という感じ,それが洗練された分,面白みがなく上品になったような。
というかスクールアタック・シンドローム以外は,「熊の場所」の短編と比較して,どれも劣ると感じる出来。
☆☆


史上初!五篇すべて芥川賞候補作!怒り、悲しみ、喜び、涙する。ここに舞城文学のすべてがある。(Amazon)

最後「短篇五芒星」。
たびたび候補となる芥川賞に3度目となる候補となった作品。
作品が短編集であったことから村上龍が選考と棄権したというイベントもあったというが。
こういうイベントもあるから,芥川賞は面白い。
選考委員の選評と同じく,この短編に五芒星を名付ける意味が分からなかった。
ただの短編集ということしか,少なくとも凡人である私には分からない。
これまでの舞城の短編集は,短編のどれかがタイトルになってることがほとんどだったが,
なぜこれだけ違うんだろうか,謎だ。
これまでの舞城感とは違うようにも見えるし,
ただ単に舞城成分が足りない作品ということもいえる。
文中の男性キャラの言葉づかいが丸くなっているようにも思えるけど,
女性キャラはそんなに変わっていないような。なんかパッとしない。
面白いネタを思いついて,ちゃちゃっと調理してみましたと言わんばかりの感じか。
短編の一つ「アユの嫁」の箸休め的な優しさがほっとした,これが一番好きかも。
最初から(「美しい馬の地」)から飛ばしすぎ,
この暴力的でなく病的な大人の主人公が,妙に新鮮。
三冊目となると,もっとなにか違う作者の一面が見てみたい。
彼が調理すると全部同じような味になるんだよね。
全部焼肉のタレで味付けすれば,そりゃあ同じになるわ。
☆☆☆

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  1. 2013/01/21(月) 07:41:53|
  2. 本 ☆☆☆☆
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

初めまして。hisaといいます。

西尾維新に似てるんですか?
物語シーリーズは読破してますし、悲鳴伝・xxxHOLICも読みました。
西尾維新も好きですし、短編も好きなんです。
短編小説って、作家さんの技量がものすごく問われると思うんです。

参考になります。
今度読んでみたいと思います。

ありがとうございます。
  1. 2013/01/21(月) 23:31:33 |
  2. URL |
  3. hisa #p5VI7q9c
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 初めまして。hisaといいます。
>
> 西尾維新に似てるんですか?
> 物語シーリーズは読破してますし、悲鳴伝・xxxHOLICも読みました。
> 西尾維新も好きですし、短編も好きなんです。
> 短編小説って、作家さんの技量がものすごく問われると思うんです。
>
> 参考になります。
> 今度読んでみたいと思います。
>
> ありがとうございます。

hisaさん コメありがとうございます

西尾維新に似ているというか,西尾維新が似ているというのが近いのかも。
ただ,この辺の感覚は,結構齟齬があるかもしれないですけど。
  1. 2013/02/03(日) 07:28:41 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

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