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和書・マンガの評価と感想の記録。

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[本の感想] 迷える者の禅修行―ドイツ人住職が見た日本仏教



「お坊さんになって悟りたい!」----。悩めるドイツ人青年の危機を救ったのは、祖国で出会った坐禅だった。出家の覚悟を決めて来日するも、そこで見たものは、この国の仏教のトホホな姿。算盤を弾くばかりの住職、軍隊のような禅堂、仏教に無関心な世間......。失望と流転の末、ようやく辿り着いた理想の修行は、小さな山寺での自給自足・坐禅三昧の生活だった。日本人が忘れた「一瞬を生きる意味」を問う、ドイツ人禅僧のニッポン修行奮闘記。(Amazon)

素敵な本に出会えるってうれしいね。
こういう本に出会うと,本当に知識欲を刺激される。

最初に行っておかないといけないけど,
ウチの宗派は,禅宗だ。その中の臨済宗の在家。
私的にこの宗派は嫌いじゃない。
むしろ,生まれを選べないこの身として,
我が家の宗派が禅宗だったのは好むところだろう。
この本の感想は,そういうバイアスがものすごくかかっている本だということ言っておく。

●2種類しかない
禅宗の本って,難解かめちゃくちゃカンタンの2種類しかない。

難解な方は,中には頑張って説明しようとしてるのもあるんだけど,
仏教用語を使ってるんで,それを親切に説明してからのお話ということで,
慣れない上にどうしてもイメージがしづらいし,伝わりにくい。
それにそういう本の主題は,禅というものの追求なのであって,
読んでいても観念的でなかなか一般の人の心に伝わってこない。
でも今まではそれくらいでいいと思っていた,この本に出会う前は。
そうカンタンに禅なんか分からないだろうと思っていた。
それはある意味あきらめだったのかもしれない。

カンタンな方は,
こういうことをしましょうという説明だけで,
終始それだけに徹している。
なのでカンタンに実行が可能だが,
どうしても説得力に欠け,内容がないものになりがちだ。
つまり陳腐ということだ。

●悩めるもの
本書は,作者の自伝というようなカタチになっている。
作者が常に抱き続けた悩みを持ち,彼は祖国で禅に出会う。
彼はドイツ人だった。
そして禅に憧れ,日本に訪れる。
しかし,彼がそこで出会ったのは,自分が信じてた禅とはまったく異なるものだった。

それはそうだろう,今の日本の仏教なんて,葬式するためと墓を管理するためにある
一ビジネスモデルといったところだろう。
ブッタより受け継ぎし法脈を紡ぎし者なんて認識は,とっくの昔に成れの果て。
いることはいるだろうが,原理主義者なんてどこでもいつでも少数だ。
それでも彼は進む,出家してからも多くの困難が待ち受ける。
本書では彼は一時期ホームレスになったことがあるとあるが,そんなのはすごく優しい方だ。
彼が現在住んでる寺なんかは,塗装されていない道を4キロ行く陸の孤島とってもいいような場所にある。
そして自給自足の生活なので,1日のほとんどを畑仕事と座禅についやすという過酷さ。
他にも色んな寺を流浪したり,常に悩み続ける彼に,人としての親近感を感じずにはいられない。
坊さんの書く本ってのは,どうしても平穏な雰囲気で上からこうですよって語る感じなんだけど,
この本にはそれがない。
常に我々のように悩み,答えを探し続けているのだ。
修行しようが,悟ろうが,この世にいる限り人は悩み続け,応え続ける。

こんな本を,ドイツ人が書くなんて思っていなかった。
この発言は差別的と見られるかもしれないが,本当に最大限の賞賛をこめて送りたい。
分かりやすいということは,決して陳腐ではない。これは重要なことだ。
本当にいい本だ。これは陳腐な表現です。

今日早速,図書館に他の著作が置いていないので,
本屋で買ってきてしまった。久々の衝動買いだ。

・参考:ネルケ無方の著作3冊を読んで

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☆☆☆☆☆

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  1. 2012/11/12(月) 23:51:06|
  2. 本 ☆☆☆☆☆
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

すごく読んでみたくなりました。

リンクさせてください。宜しくお願いします。
  1. 2012/11/13(火) 05:12:48 |
  2. URL |
  3. ちまちま #-
  4. [ 編集 ]

ヒメキリンさんへ

私もヨガの指導を受けているので、2年前に4日程を2回禅寺に籠ったことが有ります。
1日2時間程の座禅を朝晩組んで精神を集中することと禅の作法を学びました。
短いと言えど厳しさが有りました。
飽く迄も禅とはどんなものかを知るためですが、これくらいでは到底知ることは出来ません。
早速紹介のあった本を読んでみようと思います。
                                           はいばらじじ
  1. 2012/11/13(火) 09:43:31 |
  2. URL |
  3. はいばらじじ #-
  4. [ 編集 ]

素晴らしい!

訪問履歴からお訪ねしました、「ティンパニで朝食を」こと高木です。

そのドイツ人の真摯に道を探し求める姿勢、日本人であるわれわれがどこかに置き忘れてきたことのように思います。

でも、そういう方の書かれた本と出逢い、ブログに紹介して下さる方がいらっしゃったのも素晴らしい!
私は仏教徒ではありませんが、宗教を超えて感銘するところがあり、ぜひ読んでみたい本です。

あと禅に関して、しっかり内容は削らずに「分かりやすい」本が少ないとのこと、おっしゃる通りだと思います。
仏教のお話しに限らずどの世界でも、専門的にもしっかりした中味を、ちゃんと分かりやすく伝えられることが求められていると思います。
  1. 2012/11/13(火) 12:43:33 |
  2. URL |
  3. 第一楽章 #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> すごく読んでみたくなりました。
>
> リンクさせてください。宜しくお願いします。

ちまちまさん ブログ読んでもらってありがとうございます。

リンク歓迎です。よろしくお願いします。
  1. 2012/11/14(水) 12:16:21 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> ヒメキリンさんへ
>
> 私もヨガの指導を受けているので、2年前に4日程を2回禅寺に籠ったことが有ります。
> 1日2時間程の座禅を朝晩組んで精神を集中することと禅の作法を学びました。
> 短いと言えど厳しさが有りました。
> 飽く迄も禅とはどんなものかを知るためですが、これくらいでは到底知ることは出来ません。
> 早速紹介のあった本を読んでみようと思います。
>                                            はいばらじじ

はいばらじじさん コメありがとうございます。

禅の修行ってのは,他の仏教よりキツイらしいですね。
特に曹洞宗なんて,只管打坐を主張していて,
この本からも過酷さが伝わってきました。

ただ座る,聞こえは簡単だけど,
実践するというのは難しいもんです。

座禅いいですね,私も少しずつ習慣にしていってみようかな。
  1. 2012/11/14(水) 12:24:24 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

Re: 素晴らしい!

> 訪問履歴からお訪ねしました、「ティンパニで朝食を」こと高木です。
>
> そのドイツ人の真摯に道を探し求める姿勢、日本人であるわれわれがどこかに置き忘れてきたことのように思います。
>
> でも、そういう方の書かれた本と出逢い、ブログに紹介して下さる方がいらっしゃったのも素晴らしい!
> 私は仏教徒ではありませんが、宗教を超えて感銘するところがあり、ぜひ読んでみたい本です。
>
> あと禅に関して、しっかり内容は削らずに「分かりやすい」本が少ないとのこと、おっしゃる通りだと思います。
> 仏教のお話しに限らずどの世界でも、専門的にもしっかりした中味を、ちゃんと分かりやすく伝えられることが求められていると思います。

第一楽章さん コメありがとうございます。

思想や哲学書なんか本当難解なんですよね。
専門家が読むにはいいけど,一般人には敷居が高い,
この境界を見決めるのは難しいと思います。
簡単すぎるのも,難し切るのも。
本書は一般人の私が面白かったんでおすすめできると思ってます,
ぜひ読んでみてください。

これからもよろしくお願いします。
  1. 2012/11/14(水) 12:29:21 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

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