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屍者の帝国



フランケンシュタインの技術が全世界に拡散した19世紀末、英国政府機関の密命を受け、秘密諜報員ワトソンの冒険がいま始まる。日本SF大賞作家×芥川賞作家、最強コンビが贈る超大作。(Amazon)

●500pに詰めるだけ詰め込みました
中盤までは良かったんだけど・・・。
太陽の沈まぬ国とまで言われた19世紀の大英帝国,
その原動力となるフランケンシュタイン。
世界に躍進をつづけるなか,
主人公は諜報員としてある任務を受けることになる。
前半の各地を旅する描写や主人公の内面,
フランケンシュタインというSF要素が世界と整合しているのは素晴らしい。
諜報員の主人公の冒険譚としも楽しめ,
この世界の奥深さを感じとることができる。

19世紀輸送手段の発達により,
世界という存在があまねく把握できるようになり,
一種の閉塞感にもにたような感覚をもつなか
フランケンシュタインのまつわる謎が,
ある種の解放につながっているような感覚にさせられるのはいい。
謎というのSFにせよ,ミステリにせよ物語を彩る重要なファクターだということ。

ただ後半がね,
物語が収束していくのは仕方ないんだけど,
着地点がそこなのかという違和感ある。
故人の設定をうまくまとめあげたとは思うが,
まあ無難な所というべきなのか。
強引にシーンがチェンジされたというのはいなめない。

また後半につれ,
主人公という人間がわからなくなっていった。
立ち位置がどことなくはっきりしないというか,
前半にみせた女王陛下の犬らしき,愛国心がなりを潜めて
科学者としての理性的?性格が頻繁に表に出てきたあたりから
魅力が半減したような気がする。
確かに最終部の精神の話(唯脳論的な)を論じる上で,
客観性や冷静な知性は必要なのだが。
だからこそ,終盤が気になるのかも,
物語に違和感があるのか,主人公の方にあるのか。

●エネルギーは差でしか・・・
本作品を執筆した円城塔氏には心からの賞賛を送る。
ただどうしても思ってしまう,
この作品を伊藤計劃が書いていたらどうなっていたか。
いや,その可能性はありえないのは分かっている。
彼の作品が,彼が死してなおも見れるという喜びが大きすぎた。
これがただのSF作家から出てきたならなら良作,
いや,名作に匹敵したかもしれない作品だ。
でもこれは伊藤計劃が残した足跡をもとにした作品だということ。
たしかに文章中のそれぞれの話はA級なのかもしれないが,
それをまとめると一つ下のランクになってしまう不思議。
設定を追いすぎてるというか,
まあまあいい出来というのが,落差を生じさせるというか。

ファションの世界にせよダブルネームというのは,
基本的に良くない印象が私の中にある。
今回も,本という分野だが御多分にもれずということなのかも。
設定されたレールを超えるのは難しい。

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☆☆☆

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  1. 2012/09/22(土) 20:58:37|
  2. 本 ☆☆☆
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

こんにちは

はじめまして
ヒメキリンさん すごいですね!!

どうして こんなに文章がスラスラと
出てくるのでしょう!

文章が苦手な 私としては毎日のブログ
四苦八苦しています (^O^)

近くに 作家あさのあつこさんが お住いです。
息子の同級生の お母さんなんですが

文才のある方をみると 尊敬します☆
ヒメキリンさんも 素晴らしいです(*^_^*) 





  1. 2012/09/23(日) 08:44:14 |
  2. URL |
  3. ジャスミン #-
  4. [ 編集 ]

Re: こんにちは

> はじめまして
> ヒメキリンさん すごいですね!!
>
> どうして こんなに文章がスラスラと
> 出てくるのでしょう!
>
> 文章が苦手な 私としては毎日のブログ
> 四苦八苦しています (^O^)
>
> 近くに 作家あさのあつこさんが お住いです。
> 息子の同級生の お母さんなんですが
>
> 文才のある方をみると 尊敬します☆
> ヒメキリンさんも 素晴らしいです(*^_^*) 

ジャスミンさん コメありがとうございます。

基本,戯言のようなもんなんでお恥ずかしい限りですw。
数ヶ月ブログやってると結構書けるようになるもんだと思ってます。

作家さんが身近にいるのってすごいですね。
作品についての質問なんかしてみたら楽しそうですね。
怖い気もしますがw。
  1. 2012/09/24(月) 23:09:41 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

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