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和書・マンガの評価と感想の記録。

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[読書メモ] 貴族探偵対女探偵



「貴族探偵」を名乗る謎の男が活躍する、本格ミステリーシリーズ第2弾!
今回は新米女探偵・高徳愛香が、すべてにおいて型破りな「貴族探偵」と対決! 期待を裏切らない傑作トリックの5編収録。(Amazon)

このシリーズ続くんだと思いつつ読む,
そして読了後やはり麻耶雄嵩のこの作品はシリーズ化してもつまらないと思う。
彼の本格ミステリ小説にある種の問題提起をして作品に仕上げるのが肝心要だ。
だからミステリー小説のミステリーの部分が重要なのも分かる。
ただこの作品は小説として麻耶雄嵩の他の作品よりも面白くない。
いくらミステリーの部分に力を入れても,小説の部分がこれだとなぁ。
前作と異なり貴族探偵が一方的に推理するのではなくて女探偵の推理対決になってる,
基本女探偵の方が推理ミスをして貴族探偵陣営・・・じゃなくて貴族探偵が
女探偵の推理のミスを訂正させて正解に導くという形式になっている。
まぁこの推理の形式が露骨に見えるのがこの作品の目玉である。
ただ短編であるせいもあるんだろうが形式ありきだから他の部分が脆弱で,
これだとチンマリとまとまっているというのが私の印象だ。
「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」も同じような多重推理があるが
ああいうバカミスに惹きつけられた私からすると物足りない。

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  1. 2013/12/06(金) 09:23:44|
  2. 読書メモ
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[漫画] 今年読んだ漫画色々

今年読んで感想書いてなかった漫画色々と。
1つ1つ感想を書くのが面倒なので読書メモでひとまとめに。

・南Q阿伝(3)


南久阿といふ蜘蛛神ありけり。かの神、渡来神なる侵略者と対峙するものなり。
渡来神、いと邪なりて、土地神を荒ぶらせ、あまたの神事を穢す。かくて、世も乱れ、悪しくなりにけり。
南久阿、神田太郎なる眷属らを従へ、渡来神を斃し、日の本を救わんとす。 (Amazon)

「怪物王女」から光永康則の作品を読んでいる。
「怪物王女」と比べて敵に関する伏線みたいなもんがないが,
今は取り合えうず主要メンバーが揃ったといったところか。
登場する八百万の神様が実はこれからの伏線なんだろうか。
基本南久阿が楽しめれば楽しいです,それが全てと言ってもいい。

☆☆☆

・名探偵マーニー3・4・5・6


探偵のライバル役メカニックが登場してえげつない展開になるかと思えばそうでもない。
これから本格的に参戦しそうだが思わせぶりで終わらないということを期待したい。
アクの強いキャラ立ちも十分なんで一定水準の面白さではある。
私にとってここらへんが本を買うか買わないかのレベルかな。

☆☆☆

・ジョジョリオン4・5


4部が大好きな私にとってこういう日常のスタンドバトルというのは大好き。
「カツアゲロード」も4部の町の名所を思わせるし結構面白い。
能力未明のスタンドと戦うというのが
誰が味方で敵かもよく分からず孤立している主人公や康穂の緊張感を出していていい。
徐々に味方を増やすというのも4部だなという感じだ。

☆☆☆

・狼の口 ヴォルフスムント 5巻


森林三邦vs.狼の口、物語は最終決戦へ!(Amazon)

本巻で終わると思ったがこれであと一巻分の分量があるんだろうか。
なにか嫌な予感がしそうでもないが。
城ってのが籠城戦を予期して造られてるんだというがよく分かるほど非道。
そしてそれが攻略されたということがどういうことなのか。
ヴォルフラムに使えたブルクトーの最後,実にあっけない,でもこれが死です。
まぁ現代なら航空戦力の絨毯爆撃でアレだが,
いつの時代も戦場での死というのははあっけないもんだと思ってます。

☆☆☆

・食の軍師(3)


現代の"食"の兵法書とも言える「食の軍師」待望の第3巻ッ!!己を三国志の名軍師・諸葛孔明になぞらえ、
様々な戦略を繰り出す本郷播!! 今巻は、軍師が名城と呼ばれる店に攻め込むッ!!
伝統的な地である浅草などの都市の城に攻めることもあれば、カレーやうどんなどの名高い城を攻めたりも!!
ライバルである力石との対決も見所っ!! これぞ食のエンターテインメント!! 軍師が繰り出す戦略をとくとご覧あれ~♪ (Amazon)

これ続くんだ。
基本ダラダラ読むには飽きない作品です。
「孤独のグルメ」と違って酒飲みありなんで私にはありがたいです。
まぁ基本飲兵衛1人の主観的エッセイなんでそこんとこを楽しめば。
神保町の「いもや」1回行ってみたいんだよなぁ。
関西辺りの店やってくれないかな。

☆☆☆

・坂本ですが? 1・2


シュール系の漫画なんでそれを面白いと思うかどうかだが,まぁ面白いかな。
ただ爆笑できる笑いではない。
なんというか「エンジェル伝説」を思い出した。

☆☆☆

・山賊ダイアリー(4)


身悶えるジビエ(野生肉)の愉悦! とある日は牛タンより美味(!?)なイノシシのタンに舌鼓。
またある日は、オスのイノシシの臭味に悶絶。狩りに釣りにイモ掘りに、新米ハンター・岡本は今日も山へ行く。
空気銃と罠を駆使し、時にはラペリング降下で獲物を回収。山に遊び、糧を得る究極のアウトドア!
猟犬の成長を見守り、来季に思いをはせる初猟シーズンファイナル! (Amazon)

面白い,基本作者の実体験がほぼ漫画になっているだと思うがそれが面白い。
狩猟というのが新鮮で面白いというのもあるんだが,
実体験を漫画にしても面白いものは面白いのだというのが分かる作品。
日常を描いても読める,これに尽きる。

☆☆☆☆

・めしばな刑事タチバナ 10


つ・・・ついに来やがった。
ツマミとなる駄菓子回,本書でも思うがよくこれだけ作品のネタがつかないな関心。
ツマミに合う駄菓子は,太郎シリーズ(蒲焼さん太郎,わさびのり太郎とか)をあげるなんて作者分かってるじゃないか。
そう言えばダウンタウンの松本はよっちゃんイカが良いといってたな,私も好きだ。
あとは甘イカ太郎も忘れないで。
基本ツマミコーナ-でこれだというツマミがなくても,
駄菓子コーナ-がスーパーでもコンビニでもあるかぎり駄菓子はツマミになり得るのだ。
サラダのスパイス回は基本ドレッシングとマヨで満足してるんで特にないです。
牛丼屋のカレー回に関してだが,野菜が入っていようがどれもレトルトの上限を出ない。
カレーを食べたければはなまるうどん,高くてもいいならココイチ。

☆☆☆

・あまんちゅ!(7)


遂にお披露目…おニューのマイ・ドライスーツ! ! !
・・・(Amazon)

表紙の女性登場回に驚き,あとドライスーツお披露目回に微妙に感嘆。
別に物語を求めてるわけではないんで,日常に癒やされればそれで。

☆☆☆

・じょしらく(6)


最終巻という感じがせず,またねという感じで終わった。
「さよなら絶望先生」「かってに改蔵」の終わり方がアレだったので,こういう終わり方も出来たのか。
毎回ネタにクスリとさせてもらったそれだけで満足,ではさようなら。

☆☆☆

・ULTRAMAN 3


ウルトラマンとして戦うことに迷いと悩みを抱えたまま、
諸星(モロボシ)に連れられ異星人の街を訪れた進次郎。
そこで、「ジャック」という名の情報屋に出会い、ケンカに巻き込まれてしまう。・・・(Amazon)

難しいなぁ,原作とオリジナルの設定にどれだけ折り合いをつけるのが作品を楽しむコツかな。
私はモロボシ・ダンで十分オオォ!と楽しめる人間なんで十分。
レッドキングのアレも十分良かった。
展開が少し遅いかなというのは「鉄のラインバレル」や同人「ハイブリッドインセクター」で慣れている。

☆☆☆

・Q.E.D.証明終了(46)


未発表のルポ『巡礼』。舞台は1941年、ハノイの法廷から始まる、殺人の罪で死刑判決を待つ犯人に助命嘆願の申し出が。・・・(Amazon)

「巡礼」のストーリーは久々に良い感じだった。
前作の(45)巻もだが私的に平均より上かなというストーリーの数々だった。
その中でも「巡礼」のドキドキ感は良いものだった。

☆☆☆

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  1. 2013/11/28(木) 04:33:20|
  2. 読書メモ
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[読書メモ] 日本仏教史―思想史としてのアプローチ



同じ仏教でもインドとも中国とも異なる日本の仏教は、どのような変化を遂げて成立したのだろうか。
本書では6世紀中葉に伝来して以来、聖徳太子、最澄、空海、明恵、親鸞、道元、日蓮など数々の俊英、名僧によって解釈・修正が加えられ、
時々の政争や時代状況を乗り越えつつ変貌していった日本仏教の本質を精緻に検証。
それは我々日本人の思想の核を探る知的興奮に満ちた旅でもある。(Amazon)

読んでみると思いのほか素晴らしくて夢中で読めた。
本書は日本における仏教思想の変移史だ。
インドで生まれ中国を経由して日本に持ち込まれた仏教が
日本でどのように変化し今日に至ったのかその概説書となっている。

面白かったところを摘んで言うと,
梅原猛の仏教感にも出てくる草木国土悉皆成仏,
「大乗起信論」などで導き出される本覚思想のことなんだが。
これが日本で趨勢を誇っている大乗仏教でなぜ重要となっているのか。
どのように反論されたりで今日に至ったかという,興味のある内容数々。
そしてそれが現在の葬式仏教に繋がったのか,
これらがコンパクトにまとまっている。

別に葬式仏教があってもいいし,
年をとってから般若心経を写経しだしてもいい。
ただ私が興味が有るのは,仏教の中でもその思想である。
我,自己,主体これらの存在を仏教ではどう考えるか
それだけにしか興味がないと言い切ってもいい。

ちょっとここで先ほどの本覚思想について話そう。
本覚思想とはすべての人々が仏性をもっているということだ。
仏性というのは仏になれる性質で,
これがあるから今日の仏教は死ねば仏になるという設定が生きている。
私は死んだ後のことなんてどうでもいいと思ってる。
死んだとしても地獄や天国なんてないだろうし,
虚無に沈むただそれだけだし,それでいい。
問題なのは生きている内のことなのだ。
ここらへんの浄土観も本書では扱っている。
で,鎌倉仏教では親鸞や道元などが現れて
なぜ仏性をもっているのに修行する必要があるのかという疑問を提示し本覚思想批判に繋がる。
死んだ人間が仏様になる,なら釈迦はなぜ修行者の集団を作ったのか。
(まぁそもそも原始仏教に葬式のことなんて扱ってない,死後も。)
そして仏性があるんだから修行しなくてもいいやというやからが出てくるわけだ。
日本の仏教というのは昔から権威と結びついていて,常に堕落の道をたどっている。
しかしそこで変革が起きているというのも忘れてはならない。

恐らく釈迦の教えというのは北伝仏教の流れを組む
多様性を受け入れた大乗仏教にはほとんどないだろう。
多様性を排し閉塞的であることを受け入れた南伝仏教にこそ
釈迦の教えは息づいていると思う。
(詳しくは大乗非仏説でも各自勉強してください。)
東大のインド哲学科なんかは,原点に回帰して原始仏教なんかを研究しているし
中村元の本なんかもその系統だ。
彼の本は素晴らしい,以前に感想を書いた
「ブッダの人と思想 」や「ブッダのことば―スッタニパータ」などオススメ。
ただ釈迦死後のアビダルマ時代の釈迦の思想の考察や,
空の理論を展開させたナーガルジュナなどの中観派や
唯識の思想を発展させた世尊などの唯識派などにも意味はあったと思っている。
大乗仏教にも信徒の増大という意味合いも無視することは出来ない。
肝心のインドでは仏教は一度滅びたし。
道元も大乗経典である法華経を親しんでいたし,
法華経は天台や日蓮などの宗派を支えたり生み出したりする力をもっている。

ここで親鸞や道元の話に戻る。というか道元だ。
私は公案を重視する臨済禅に最初影響を受けたが今はまったくない。
禅問答(公案)の理解は主観に満ち満ち過ぎていて学問的理解が及ばない。
(狗子仏性なんかは学問的理解されているが)
それもいい,宗教的体験というのは極論を言えば主観だ。
釈迦が菩提樹の下で悟りを得たが,その悟りというのはなんだったのか
経典の中で出てくることとはない,これは釈迦個人の体験,主観だからだ。

臨済禅に対する曹洞禅に興味があるというか,曹洞宗開祖道元の禅に興味がある。
曹洞禅にも今のところ興味が無い,というか把握する暇がない。
前に読んだ本で道元の著作・正法眼蔵は江戸時代辺りまで曹洞禅でもあまり読まれてなかったらしいし。
道元は本覚思想批判をしたが,これは一切衆生悉有仏性という言葉の禅宗での意味の取り方にある。
ここらへんは「哲学のエッセンス・道元」を読んで貰えだいたい分かるはず(この話をすると長くなるのでカット)。
道元の禅には悟りがないという(黙照禅),悟りはあるんだがそれが私達には分からないのだ。
我のよりどころである阿頼耶識で悟りを掴むなどというのは言語道断だ。
そこで修証一等である,これは修行と悟りは一緒なのだという意味だ。
(ここでの修行は坐禅を含む生活全て。)
だからこそ修行している時その人は悟り続けているのだ。
故に悟りたいという思いすらすてて坐禅をする,これが只管打坐である。
過去もなく未来もなく,我すら捨てて坐るこれだ,ここに仏がある。

ここで仏教から離れるて思想の話。
最近自分の頭で考えようというような本が売れている。
まぁ自己啓発と同じようなジャンルにあり時間をかけずに読むことが出来る,私はこれにほとんど興味がない。
哲学というのもがあるが,これは大部分が西洋のキリスト教観の思想だ。
特に話題となる近代哲学デカルト以降だ。
私はキリスト教に今のところ興味がない,別に神がいようがいまいがどうでもいい。
ただ旧約も新約も重要そうなところは一応かいつまんで読んだが読んだだけ。
キリスト教から離れる哲学のポストモダンなんかも興味なし,
しかもこういうのは以降続くか分からないところがある(ユングとかフロイトとか)。
学問として確立されても直ぐに廃れてしまうというのがあるので,
やはりそうなってくると学術的に長く続いている思想や,宗教が興味の対象となってくるわけだ。
だが,これらはある程度知識を貯めないといけないため入り口をくぐるのが難儀だが,パッと消えそうな思想よりは良い。
そして興味ないというのはかけられる時間が恐らくないだろうという話。
暇だという言葉があるが,読書をしているとあれも読みたいこれも読みたいと次々出てくるし,
往生しても読んでない本の方が多いのは明らかだ。
神は信じていないが,ただ法はあると思う。
この法は善悪といった人間に都合のいい法ではない。
世界の有り様とでもいうものだ。
大乗仏教でいうところの大日如来と言い換えても,
バラモンのブラフマンといってもいいかもしれないが。

ここらへんの仏教思想を再確認できるいい本だった。
特に学問的ここらへんはまだ分かってないという現状も
書かれているのは知らなかったことが結構あった。

これが30代を目前にせまった私の思想の一部だ。
こういう思想に行き着いたのも,社会で成功をおさめたものも,
教養あるものも,私は素晴らしいと思えなかったところにある。
我の極地といおうか,己というプライドを最高潮まで高めた人というのが見るに耐えない,そう感じたのだ。
そして色んな思想に触れた,そうして道元の「自己をならふといふは、自己を忘れるるなり」に行き着いた。
我を極めるというのは我を忘れる,そういうことなのだ。
お前などどうてもいい,では亡くなった我になにが来るかそれが仏だ。

う~ん,これ本の感想じゃないな。
取り敢えず読書メモに入れとこう,
あ,評価は☆☆☆☆☆で。

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  1. 2013/11/16(土) 08:09:17|
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[読書メモ] 私がこれまで読んだ大江健三郎作品まとめ

私がこれまで読んだ大江健三郎作品(2013.11.4)

暫定評価。
「水死」を読み終えた。
取り敢えず今現在,長江古義人を主人公とする
長編小説は全て読んだのでここらへんで区切ろうかと思案中。
そのために一旦まとめを, 分かりやすいように↓のような評価方法に。

<好き>

| 万延元年のフットボール
| 憂い顔の童子(←1番好き)
|ーーーーーーーーーーーーーーー(☆↑5↓4)
| キルプの軍団
|ーーーーーーーーーーーーーーー
| 死者の奢り・飼育
| 取り替え子
| さようなら、私の本よ!
|ーーーーーーーーーーーーーーー
| 美しいアナベル・リイ
| 水死
| 晩年様式集 イン・レイト・スタイル
|ーーーーーーーーーーーーーーー(☆↑4↓3)
| M/Tと森のフシギの物語 (講談社文庫)
| 二百年の子供
|ーーーーーーーーーーーーーーー

(保留)同時代ゲーム

参考
 ・ [読書メモ] 大江健三郎作品をいろいろ読んだ
 ・ [読書メモ] 二百年の子供
 ・ [読書メモ] いつもの大江作品
 ・ [読書メモ] 晩年様式集 イン・レイト・スタイル
 ・ [読書メモ] 水死

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  1. 2013/11/04(月) 17:17:48|
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[読書メモ] 水死



母の死後10年を経て、父の資料が詰め込まれている「赤革のトランク」が遺言によって引き渡されるのを機に、
生涯の主題だった「水死小説」に取り組む作家・長江古義人(ちょうこうこぎと)。
そこに彼の作品を演劇化してきた劇団「穴居人(ザ・ケイヴ・マン)」の女優ウナイコが現れて協同作業を申し入れる。
「森」の神話と現代史を結ぶ長編小説。(Amazon)

いつもの大江健三郎作品。
以前読んだ批評(多分,群像の後期作品での大江健三郎特集)の中で
大江健三郎が自分にとって父はアイロニーとして小説で使うことが出来ぬほど
自分に暗い影を落としているという対談を引用していた。
そして本書である。
(その批評はこの作品の前に出ていたはず。)
かつて古義人(大江健三郎がモデル)は父の死を小説にしようとし母と一時義絶した過去がある。
(この時書いた小説というのが「みずから我が涙をぬぐいたまう日(講談社)」だと思う。)
母の死後,妹から母の保管していた赤いトランクを渡されることになり
父の死を題材にした水死小説を再び書き始めようとする。
この父の死に関することは,最新作「晩年様式集 イン・レイト・スタイル」でも
ギー兄さんのことと共に述べられていて,そしてラストのシーンを飾る。
これらのことからも大江健三郎の中で父の影響というのはかなり大きい。
しかし本書でも示されている通り,父の死について真相に迫ることはない。
これはこの小説の早い内に分かることだ。
そしてその真相という空白を埋めるがごとく,
彼は小説という虚構による父の死の真相を組み上げていくことになる。
これが後期作品のすべて,自己言及,自己模倣と蔑もうが彼の虚構構成力は素晴らしい。

本作の批評をいくつか読んだんだが
その中で大黄を右,ウナイコを左と捉えたイデオロギー的批評を目にしたが
大黄は「取り替え子」なんかからもまだ見れるが,ウナイコを左と見るのは結構無理があるような。

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  1. 2013/11/04(月) 16:46:35|
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